請求を支払ってくれないときにすることとそうならないようにすること

この記事は、個人または小規模の会社をターゲットに書いています。

記事の途中で弁護士さんと相談したりしていますが、全面的にお願いしたりしているわけではありません。

最低限、自信をもつために弁護士さんと相談することもおすすめします。

では、私が実際に体験したお話になります。

請求書に対する支払いを怠り続けた方に支払督促を行いました

支払督促… しはらいとくそく 

申立人の申立てのみに基づいて簡易裁判所の書記官が相手方に金銭の支払いを命じる制度です。

こちらの記事から引用しました。

くわしい説明やポイントは記事をお読みください。

今回、私が(会社として行いました)手続きを行なうことになった経緯は下記のとおりです。

支払ってくれない請求が2年分たまっていた

実は1回の請求に対して支払ってくれなかったのではなく、2年分たまっていました。

実に1人の方に合わせて 22件の請求に対して支払いをしていなかったのです。

特定記録郵便で契約書を送る

まず、特定記録郵便で支払い残高の内訳や今後のお支払いについて契約書を書いて送ってみました。

特定記録郵便についてはこちら

郵便を発送した記録が残るのと、追跡が出来ますので相手に届いたかがわかります。

注意点としては「届いた」というのがポスト投函という意味になりますので、受領印やサインはないという点です。

支払い契約のために特定記録郵便を送った経緯

そんな最中、実は1度支払ってくれました。

未払請求書を古い順に合計100万円ほど。これは大変ありがたかったです。

それまでは実に180万円くらいの未払いがあったため、うちの会社としても大変でした。

これで残金もそのうち支払ってくれるだろうという思いがありました。

そこで、残金の支払い契約を結んでくれるもの…と、まあ勝手に思い込み(笑)

特定記録郵便で「契約書2通」を送りました。

「1通はハンコ押して返送してください」というやつですね。

…ところが待てど暮らせど、返信がありません。実に3ヶ月待ってしまいました。

内容証明郵便を送ることに

特定記録郵便だと、確証がないわけです。郵便受けに入っていた他のチラシなどに紛れて捨ててしまう可能性もないとは言えません。

次の段階として、「内容証明郵便」を教えていただきました。

今回は受領したときにハンコまたはサインを求められるものを送らないといけません。

内容証明郵便についてはこちらを御覧ください。

こちらは第三者が内容を証明してくれるので普通はビビると思います。

リンク先にも書いてありますが…

内容証明書とは、「誰が」「いつ」「どのような」内容の文章の手紙を、「誰に」発信して、相手が「いつ」受けとったか、を郵便局長が証明してくれる手紙の一種です。ただし、内容証明書は手紙の一種とはいいながら、厳格な形式や手続きのために、いかにも権威があるように受け取られます。 よって、内容証明書を受け取った側には心理的圧迫、事実上の強制の効果があります。内容証明を差し出した側の真剣さが伝わり、訴訟の場においても強い証拠価値を持っています。相手方への請求書の要求や警告などをする場合には内容証明は有効です。

未払いの請求書に内容証明は有効なの? より

まあ、私なんかはビビリなので「やっべええ」感ハンパないと思います。支払わないと逮捕されちゃう!?くらいになっちゃうはず…。

ところが、これでも先方からのレスポンスがないんですよ。

ちょっと普通じゃない感覚を覚えました。恐怖感に近い感覚でした。

1ヶ月くらい経過したところで最終手段に移すことにしました。

そこで、また弁護士さんと相談しました。

ここまで来てやっと支払督促申立を行いました

内容は弁護士さんに書いていただきました。

そして、支払督促の申し立てをおこなうため相手の管轄裁判所へ行きました。

https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201504/1.html

支払督促は簡易裁判所で行います。

ここで注意点があります

「支払督促」までの経緯をもってしても私はまだ甘かったと痛感しました。

相手が「異議申立」を行なうことで、裁判自体が「民事訴訟」に移行してしまうのです。

この民事訴訟というのは支払督促とは手数料が違うのです。

支払督促は民事訴訟の半額で申し立てが出来ますが、民事訴訟に移行してしまうと

残りの半額を支払わなければそこで申立自体が無効(?)になってしまうのです。

…見事にやられました。「異議の申立」がありました。

初めから民事訴訟にしておけばよかったということになりました。

「異議」といっても「おれじゃない!!!」ということではなく

「支払うんだけど、ちょっとまってね」とか「分割にしてほしい」とかそのたぐいでも「異議」になります。

「異議申立」された以上、もう半額を支払って民事訴訟に移行して続けるしかありません。

切手、印紙で残りを支払い、民事訴訟に移行し続行することとなりました。

民事訴訟へ移行

民事訴訟への移行のタイミングで、事実を細かく書く必要がでてまいりました。

もともと弁護士さんに書いていただいたものでも、いざとなると…もっと細かく書いてくださいということになることがあります。

契約内容に対してことこまかに書きます。

何年の何月からいくらの請求がどのようにあったのか、すべてを資料をもとに書いて、ときには契約書を見直して…

被害者が証拠を揃えないといけません。きちんと事実関係を時系列で列挙し金額も細かく算出し、辻褄が合うようにしないといけませんでした。

この書類のやり取りは簡易裁判所の書記官の方と行いました。

大変ありがとうございました。こういうことは慣れていないのでとても助けられました。

そして、裁判です。

どこまで行っても原告が有利には思えない

…とまあ、ここまで行くのは不本意ではありますが、仕方ありません。

1つ知っておいてほしいのはここまで来ても「支払わない」という愚挙が許される(許されるわけないですが、ありえます)のです。

結果、「強制執行」にして勤務先などから給与を抑えるなども出来るのですが、いずれにせよ動かなければいけないのは支払ってもらえない方(原告)です。

しかし、ここまで来ていると精神的には金額の問題ではなくなってるんですよね。

「なめられている事実」と「自身のアイデンティティ」をかけた戦い

の様相を呈してまいります。ホントよこれ。

こうならないために

…結論はまだ出ていません。

が、こうならないために「あのときこうすればよかった」と思うことを書きます。

支払いが遅れた相手にはすぐ連絡を

締め切りの日が週末など、ある程度余裕は見た上でのお話しになります。

それでも1週間以内には一度連絡を入れましょう。

その際、いつ入金されるのかは聞いておくことをおすすめします。

お金の問題が一番危険です

この質問をしたからと言って関係が崩れることもないでしょう。

入金しないつもりでない限り回答してくれるはずですし、入金するつもりがないのであれば早めにわかってよかったということになります。

私は信用していた人だったのでこの質問が2年間も出来なかったわけです。

バカですね… さとうって名前どおりの甘さですよ

しなかったわけではないか… そういう話をして、「もうすぐお金が出来るから支払う」という話を何度か聞いてもいましたね… でもこのざまですよ。

前金をいただくことも視野に入れて

それからというもの、「入金してくれないかもしれない恐怖症」になっています。

実際、2年間毎月やられていましたので…

弊社がお取引している方はこの方以外すべて信頼できる良いお客様なので問題ないんですが、それでも初めてのお取り引きの場合は今でも恐怖症が再発します。

そういう場合は前金をいただくなども視野に入れて受注したほうがいいと思います。

支払いサイトが長い場合や、長期の開発の後の納品など、途中のマイルストーンを決めて一時金をいただくなどもおすすめします。

詳細は note にまとめています

このブログでは本件の内容よりも、支払ってくれないときどうすればよいか と そうならないために という観点で書いております。

裁判の内容や詳しい経緯はこちらにまとめています。

https://note.com/taman777/n/ndea2b728ebb6

先方について言及していませんが、内容がセンシティブになりますため有料とさせていただいております。ご了承ください。

※「勝訴」ということで裁判自体は1回で結審し終わっています。

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